研究概要

概要

環境科学のための2つの共同研究

2015年12月フランス・パリで国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において史上初めて全ての国が参加する環境政策の協定が採択されました。このパリ協定は2016年に発効し、世界共通の長期目標として2℃目標の設定し、可能ならば1.5℃に抑える努力を追求します。そして5年ごとに世界全体としての実施状況を検討し、主要排出国を含む全ての国が削減目標を更新します。パリ協定を受けて世界各国は脱炭素化社会へ向けて大きく動きだしました。日本は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち50年カーボン・ニュートラル、脱炭素社会の実現を目指します。CO2のCCUS (Carbon dioxide Capture Utilization and Storage)の取り組みとして、鉄鋼、セメント、火力発電等をはじめ、化石燃料に依存してきた産業から排出されるCO2を可能な限り減らすと共に、排出したCO2は回収と貯蔵、さらにその利用が進んでいます。
CCUS

CO2のCCUSの取り組みは大気中への排出量を減らしますが、正味のCO2ゼロエミッションをめざすならば、CO2を回収し利用するだけでなく、CO2そのものを分解し、それを資源化することにより、カーボンリサイクルを完成させる取り組みが必要でしょう。同志社-ダイキン「次の環境」研究センターでは主に下記の共同研究を行っています。

(1)CO2回収・分解・再利用技術の開発
(2)エネルギー効率改善の極限を追求する環境技術の開発

同志社大学はCO2から化学的な操作により酸素と炭素を取り出す独自の技術を持ちます。ダイキン工業はフッ化化学ついて優れた技術を持っています。CO2回収・分解再利用技術の開発はこれらの技術を組み合わせ、CO2の削減に貢献すると共に、CO2を資源として利用することを目指します。エネルギー損失を最小化し、エネルギー効率改善の極限を追求する環境技術の開発では、空調主要部品であるインバータ、圧縮機、熱交換器の3分野において、さらなる省エネや材料の強度・耐食性の向上を追求します。これら2つの共同研究を柱として、今後も新たな研究テーマの拡充を予定しています。

同志社-ダイキン「次の環境」研究センター開設の2020年はパリ協定5年目の目標の見直しの年でもあります。CO2大量削減に貢献するCO2の資源化が実現すれば、CO2ゼロエミッションからCO2ネガティブエミッションへの道筋が拓けます。それは誰もが暮らしやすい、より安全で快適な未来へと導きます。